2017年7月17日月曜日

ガラスの器で涼やかに

花を生ける器は、水が張れればなんでも大丈夫。
水を直接張れないものは、水を張れるコップやら空き瓶やらを落としにして。
基本的にはそんな考えで日頃から花を生けています。
いわゆる花瓶とされているものでは、ガラス、 陶器、スチール製が
一般的ですが、皆さんが一番多くお持ちなのはガラスの花瓶でしょうか。
シンプルなガラスの花瓶は癖がなく、1個持っていればとても便利ですね。
ただ、シンプルがゆえに、それなりの花の量がないとみすぼらしくなり、
少し工夫して生けないと、かなりの凡庸な昔っぽいアレンジに見えがちです。
なので家で少しの量の花を生ける時は、グラスやピッチャー、空き瓶などの
生活雑器に生けることが多くなります。
それはそれで、暮らしになじんでとてもいいのですが、
花瓶という道具は「餅は餅屋」とでも言いましょうか、
やはり理にかなっていて、懐深く花を受け止めてくれるようにも思います。

先だって、川越のうつわギャラリー「うつわノート」さんで、
目片千恵さんのガラス展のお花を生ける機会をいただきました。
小さな一輪挿し、掛け花入れ、小ぶりの花瓶、金魚鉢などに生けました。
金魚鉢以外は花器として作られたものです。
目片さんの作った花器に花を生けると、花瓶という道具の利便性と、
いわゆるガラス花瓶と言われる物の凡庸さではない、
そう、私が生活雑器を好んで花を生ける感覚に近い、自然な落ち着きを
感じることができました。
器と花と引き立てあって、調和して、佇まいになる。
そんな懐の深さを実感し、また勉強になりました。
作家物の花器はオブジェのようにそれだけで完成している印象が、
自分の中にありましたが、そうではないんだ、花をおおらかに
受け止めてくれるんだ・・・と、自分の可能性が開けたように思います。



イチゴの葉とブルーベリー
ハマナスとヤマアジサイ
ぬかきびとヤマアジサイ

ブラックベリー、コケモモ、葉山椒、刈萱


小さい器は2種類ほど、少し大きいのも4種5本ほど。
器のフォルムや色や、個性と調和するように生けましょう。
引き立てあって夏らしく、涼やかな花に仕上がりました。
家でもガラスの器に早速生けたら、うちの中に涼風が吹いたような。
夏のガラス器はいいですね。
みなさんも、小さいものでも十分なので、ガラスのちょっと素敵な花器に
生けてみてください、夏の草花や枝に実など。




0 件のコメント:

コメントを投稿