2016年3月16日水曜日

春の花を長く楽しむために

 「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があります。
3月に入って暖かい日が来てホッとしたと思ったら、寒の戻りがあり、
その度に「お彼岸までは仕方ないね」と言い聞かせて過ごしてました。
彼岸の入りを迎え、ようやく本当の春を感じるようになりますね。

暖かくなるのは嬉しいのですが、花の持ちが悪くなってくる季節でもあります。
生けた花のメンテについては「水換えって毎日ですか?」とよく聞かれます。
もちろん、毎日変えるとベストですが、実際はなかなか大変です。
私は冬場で水が冷たい時は2日ほどはそのままにして、
生けた花の中で傷んできたものが見られたら、生け替えと水換えを一緒に。
そんな横着な感じでやってます。
楽しむのが一番なので、使命に追われるのは・・・ね。
とはいえ、そろそろそうも言ってられなくなってきますが、
頻度は変われどやることは同じです。
生け替えるときは、全部バラして、整理して、茎を切り戻して。
小さくなっていきますから、新しいアレンジを作ることにしています。
マグや茶碗や、空き瓶や、カゴなど、小さめの雑器にいくつか。


数種類を大きめに生けました。


2日ほど後に整理して、小さく生け替えました。


パンジーと豆の花をザルに

ワスレナグサとバイモ百合を空き瓶に

フレチラリアを豆と薬瓶に

彼岸桜とナルコランを抹茶碗に


ひとつひとつのボリュームは減りますが、あちこちに飾れます。
残りをただ小さく生けるのではなく、組み合わせや器をちょっと考えて、
小さくても完成した佇まいになるように。
花は生き物、変化していくものです。長持ち=長く楽しむ。
そんな気持ちであれこれ考えて、春からの花、楽しんでください!!




2016年3月2日水曜日

早春の枝物を楽しんで

今年はオリンピックイヤー、閏年でした。
とはいえ、2月はやっぱり「気がつくと・・・」という間に終わりますね。
3月になると、春も近くにいる実感が増してきますが、彼岸まではけっこうまだ寒い。
このころは、私の好きな花の木、枝物が市場でも増えています。
教室でもついつい何種類も合わせてしまい、始めたばかりの方は枝物に慣れず、
四苦八苦しながら生けてもらったり。
ちょっと固めの蕾がついてるところから、ほころんで、3分、5分、8分、満開!!
生け変えて、長く楽しめますし、それぞれの枝ぶりや動きもおもしろい。
なによりも、その季節の空気感やら景色が満ちてきます。


ブリキのピッチャーに、まだ少し冷たい空気をまとって


コデマリ、ダンコウバイ、ネコヤナギ、常盤ガマズミの4種を、ブリキの器に。
足元は低木のコデマリ、ガマズミ、伸びやかにネコヤナギとダンコウバイを。
金沢在住の型染作家、山﨑菜穂子さんのクロスを窓に掛けたら、
海と空の景色も広がって、遠近あわせてひとつの景観のようです。
家の中の片隅に、大きな早春の景色ができてうっとり!!



小さな黒い湯のみに

北欧のマグと小瓶に


大きく生ける時は、下のほうの枝を落としたり、枝ぶりを整えるのにカットしたり。
そんな小さな脇のものは、湯のみやマグやらの小さい器に生けます。
あちこちに飾ると、すごそこまで来ている春をいっそう感じられますよ。
ぜひぜひ、早春の枝物、チャレンジしてみてください!

明日は桃の節句、その後には啓蟄ですね。
春めきてそぞろそぞろの大地かな  綾