水を直接張れないものは、水を張れるコップやら空き瓶やらを落としにして。
基本的にはそんな考えで日頃から花を生けています。
いわゆる花瓶とされているものでは、ガラス、 陶器、スチール製が
一般的ですが、皆さんが一番多くお持ちなのはガラスの花瓶でしょうか。
シンプルなガラスの花瓶は癖がなく、1個持っていればとても便利ですね。
ただ、シンプルがゆえに、それなりの花の量がないとみすぼらしくなり、
少し工夫して生けないと、かなりの凡庸な昔っぽいアレンジに見えがちです。
なので家で少しの量の花を生ける時は、グラスやピッチャー、空き瓶などの
生活雑器に生けることが多くなります。
それはそれで、暮らしになじんでとてもいいのですが、
花瓶という道具は「餅は餅屋」とでも言いましょうか、
やはり理にかなっていて、懐深く花を受け止めてくれるようにも思います。
先だって、川越のうつわギャラリー「うつわノート」さんで、
目片千恵さんのガラス展のお花を生ける機会をいただきました。
小さな一輪挿し、掛け花入れ、小ぶりの花瓶、金魚鉢などに生けました。
金魚鉢以外は花器として作られたものです。
目片さんの作った花器に花を生けると、花瓶という道具の利便性と、
いわゆるガラス花瓶と言われる物の凡庸さではない、
そう、私が生活雑器を好んで花を生ける感覚に近い、自然な落ち着きを
感じることができました。
器と花と引き立てあって、調和して、佇まいになる。
そんな懐の深さを実感し、また勉強になりました。
作家物の花器はオブジェのようにそれだけで完成している印象が、
自分の中にありましたが、そうではないんだ、花をおおらかに
受け止めてくれるんだ・・・と、自分の可能性が開けたように思います。
イチゴの葉とブルーベリー |
ハマナスとヤマアジサイ |
ぬかきびとヤマアジサイ |
ブラックベリー、コケモモ、葉山椒、刈萱 |
小さい器は2種類ほど、少し大きいのも4種5本ほど。
器のフォルムや色や、個性と調和するように生けましょう。
引き立てあって夏らしく、涼やかな花に仕上がりました。
家でもガラスの器に早速生けたら、うちの中に涼風が吹いたような。
夏のガラス器はいいですね。
みなさんも、小さいものでも十分なので、ガラスのちょっと素敵な花器に
生けてみてください、夏の草花や枝に実など。
0 件のコメント:
コメントを投稿