2016年5月2日月曜日

端午の節句に花を添えて

5月に入り初夏らしさが漂ってきましたね。
ゴールデンウイークの祝日の最後は「こどもの日」。
端午の節句、男の子の誕生と成長を祝う節句でもあります。
私たち日本人は、自然や季節の変化を日々の営みに生かしながら
植物と関わり、飾ったり、食したりして健康や繁栄や五穀豊穣を願ってきました。
それが季節の節目の節句だったり、年中行事として今も大切に受け継がれ、
暮らしている、そんな素晴らしい文化があります。

そのひとつ端午の節句、といえば菖蒲(しょうぶ)です。
が、菖蒲、花菖蒲、アヤメ、杜若とそっくりなのが4種ほどあり、
何が何だか?な方が多いかと思います。
お風呂に入れる葉が菖蒲(花はさくけれどあまり綺麗ではないらしい)。
葉が菖蒲に似ていて大きい花が咲くのが花菖蒲、杜若は花菖蒲よりちょっと小さい花。
アヤメは葉が細く、花も小さめかな。
アヤメだけが野山に咲き、ほかは水辺に咲く。花菖蒲は畑でも大丈夫。
など違いはいろいろありますが、私は菖蒲にこだわらず
好きなアヤメを生けることが多いように思います。
江戸紫の花と細長い葉が、凛としていて男の子の節句にぴったり。


アヤメと金太郎の張り子

鯉に乗る金太郎は眉も凛々しく

延齢草と山躑躅の下もいいな
渓流を鯉に乗って進むイメージですね!


私には息子が2人いますが、もうすっかり大人になりました。
実は彼らが小さい頃は、五月人形や兜を飾ったことがなく、
花を飾り、柏餅と粽を食べ、菖蒲湯に入る、そんなこどもの日を過ごしてきました。
なんだか立派な五月人形はうちには似合わず、ちょっと怖いし・・・そんな理由かな。
今年、出かけた先で見つけた金太郎くんを、今更ながら節句用に買いました。
子供達は大きくなり、とりたてたお祝いはしなくなりましたが、
なんとも可愛い金太郎、彼が花の下にいるだけで、
さりげなくお節句を祝ってくれているような気がします。
ささやかながら日本の文化と暮らしを大切にする、そんなことが幸せですね。




2016年4月18日月曜日

新緑の季節に

うちの窓から見えるソメイヨシノは花をすっかり落とし、
日々、緑の葉を大きくしていっています。
ひと雨ごとにグングンと、景色が緑に変わって行く様に驚くのですが、
同時に今年も同じようにやってきた季節に、ホッと嬉しさを覚えたりもします。
うちには庭のスペースはないのですが、猫の額ほどの植え込みがあります。
玄関先の隣地との境界の壁の前にちょっぴりある植え込みは、
宿根 草と落葉低木の世界で、冬の間はすっからかんになるのですが、
ここ1週間ほどで地面が見えないくらい、植物が活動を始めました。
グリーンがメインで小さい小さい花をつけるものがほどんどなので、
ちらりと咲いている花を見つけた時の喜びは、結構なものです。
「え〜!」「あっ!」「なにこれ!」「かわいい〜〜!」などと
顔を地面に近ずけて、独り言を言っている奇妙な人になってます・笑。


もうダメになっていると思っていたカラマツ草も出てきた!!

草イチゴは実になるかな〜〜

クレマチスも咲いていた
グリーンで目立たないけれど素敵な花です!


このほかにもヤマアジサイの花芽も出てる。いちじくも葉が出てきました。
切って生けようかと思うけど、まだちょっとしか咲いていない。
というか、狭いところなので、そもそもちょっとしか咲かない・・・
ので、なかなか咲き始めは切れないでいます。
なので、花生けは仕事で残った花がちょこちょこ。
足りなければそこに、植え込みから葉っぱなどを切って来てあわせたり、くらいかな。



鉢植えから、そろそろ終わりのクリスマスローズを切ってあわせた

仕事で残った 草花を集めて生けたら、原っぱに咲く草花みたいに


緑の中にちょっぴりの花色が、ピリッとかわいい。
花生けもそんなのが、緑の綺麗な季節にはおすすめです。ぜひやってみてください。

これから初夏に向けては、萌黄色の季節です。草木や土のむわっとした匂いも大好きです。
私がこの時季に感じる、
生きる力やエネルギーを多くの人と分かち合えたらいいなと思っています。
九州地方はまだ揺れも続いていて、
被災者の方々は不安で落ち着かない生活をされていると思います。
どうぞ、1日でも早く地震活動が収まり平穏がやってきますように。
今日も花を生けられることに感謝しています。










2016年4月1日金曜日

春の訪れ、そして母の日のギフト

足踏みしていた桜も一気に満開になりました。
花曇りというお天気続きではありますが、やっぱり綺麗ですね。
我が家の前の桜並木の緑道には、桜以外にもいろいろな花が咲き出し、
景色に色が現れて賑やかになってきました。


レンギョウ

シャガ

オキザリス

花ズオウと桜



このほかにも、気がつくと花が咲いていたり、色々な発見があります。
4月の始まりはそんなウキウキのスタートです。
4月って、やっぱり心躍る季節ですね!新しいスタートを切る季節を実感します。


そして、桜が終わりに近づいてくると、花を職業にしている身には
次のイベント「母の日」が気になりだします。
花屋ではないので量は少ないですが、私も母の日のギフトを毎年ご用意しています。
数年、母の日はやっぱりカーネーション!と、アレンジを作っていましたが、
今年はちょっと自由に、私らしく、季節の旬の草花でアレンジしました。
花を通して、ちいさな幸せや元気や暖かさ、そんな心の陽だまりのようなものを、
感じていただけることを最近はより実感し、植物持つ力、植物に携わってこれたことを
嬉しく思いアレンジしています。


ご案内フライヤーです
お問い合わせなどドシドシ!ください
http://soleil-net.com/


サンプルはあくまでイメージ。その時のよりよい花材を選んで生けたいと思います。
グリーンを多めに、爽やかな初夏のアレンジに「ありがとう」の気持ちを
乗せて、お届けいたします!


そして、もうひとつご案内。
野山にも春がやってくる頃になり。冬中お休みしていた「野山の花の会」を開きます。


4月:卯月です!



東京は山より少し早く春爛漫になりました。
身近な自然、遠くの自然、自然はなくてはならないものです。
春の訪れは、そんなことを私たちに再認識させてくれますね。


  





2016年3月16日水曜日

春の花を長く楽しむために

 「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があります。
3月に入って暖かい日が来てホッとしたと思ったら、寒の戻りがあり、
その度に「お彼岸までは仕方ないね」と言い聞かせて過ごしてました。
彼岸の入りを迎え、ようやく本当の春を感じるようになりますね。

暖かくなるのは嬉しいのですが、花の持ちが悪くなってくる季節でもあります。
生けた花のメンテについては「水換えって毎日ですか?」とよく聞かれます。
もちろん、毎日変えるとベストですが、実際はなかなか大変です。
私は冬場で水が冷たい時は2日ほどはそのままにして、
生けた花の中で傷んできたものが見られたら、生け替えと水換えを一緒に。
そんな横着な感じでやってます。
楽しむのが一番なので、使命に追われるのは・・・ね。
とはいえ、そろそろそうも言ってられなくなってきますが、
頻度は変われどやることは同じです。
生け替えるときは、全部バラして、整理して、茎を切り戻して。
小さくなっていきますから、新しいアレンジを作ることにしています。
マグや茶碗や、空き瓶や、カゴなど、小さめの雑器にいくつか。


数種類を大きめに生けました。


2日ほど後に整理して、小さく生け替えました。


パンジーと豆の花をザルに

ワスレナグサとバイモ百合を空き瓶に

フレチラリアを豆と薬瓶に

彼岸桜とナルコランを抹茶碗に


ひとつひとつのボリュームは減りますが、あちこちに飾れます。
残りをただ小さく生けるのではなく、組み合わせや器をちょっと考えて、
小さくても完成した佇まいになるように。
花は生き物、変化していくものです。長持ち=長く楽しむ。
そんな気持ちであれこれ考えて、春からの花、楽しんでください!!




2016年3月2日水曜日

早春の枝物を楽しんで

今年はオリンピックイヤー、閏年でした。
とはいえ、2月はやっぱり「気がつくと・・・」という間に終わりますね。
3月になると、春も近くにいる実感が増してきますが、彼岸まではけっこうまだ寒い。
このころは、私の好きな花の木、枝物が市場でも増えています。
教室でもついつい何種類も合わせてしまい、始めたばかりの方は枝物に慣れず、
四苦八苦しながら生けてもらったり。
ちょっと固めの蕾がついてるところから、ほころんで、3分、5分、8分、満開!!
生け変えて、長く楽しめますし、それぞれの枝ぶりや動きもおもしろい。
なによりも、その季節の空気感やら景色が満ちてきます。


ブリキのピッチャーに、まだ少し冷たい空気をまとって


コデマリ、ダンコウバイ、ネコヤナギ、常盤ガマズミの4種を、ブリキの器に。
足元は低木のコデマリ、ガマズミ、伸びやかにネコヤナギとダンコウバイを。
金沢在住の型染作家、山﨑菜穂子さんのクロスを窓に掛けたら、
海と空の景色も広がって、遠近あわせてひとつの景観のようです。
家の中の片隅に、大きな早春の景色ができてうっとり!!



小さな黒い湯のみに

北欧のマグと小瓶に


大きく生ける時は、下のほうの枝を落としたり、枝ぶりを整えるのにカットしたり。
そんな小さな脇のものは、湯のみやマグやらの小さい器に生けます。
あちこちに飾ると、すごそこまで来ている春をいっそう感じられますよ。
ぜひぜひ、早春の枝物、チャレンジしてみてください!

明日は桃の節句、その後には啓蟄ですね。
春めきてそぞろそぞろの大地かな  綾



2016年2月15日月曜日

雛人形と沈丁花

節分が過ぎると次の年中行事は、五節供のひとつ「桃の節句」です。
女の子の健やかな成長を願うひな祭りとして親しまれていますが、
もともとは春を寿ぎ、無病息災を願う厄祓いの行事だったそう。
そうは言っても、かわいい女の子がおめかしして集まってお祝いをする、
そんな風景がやはり桃の節句のイメージですね。

私は子供のころに雛人形と綺麗な晴れ着を持っていませんでした。
ご近所にお呼ばれしては、なんだかちょっと羨ましい・・・。
そんなわけで、大人になってから小さな内裏雛を自分で買いました。
陶器の男女一対の雛人形は、高価なものではないですが、お気に入りです。
毎年節分が終わると「そうだそうだお雛様」と箱から出して、花と一緒に飾ります。


大好きな沈丁花を一緒に

内裏雛は小さいので花木の方が大きくなりますが、
木の下で仲良くいるような姿が微笑ましくて、ほのぼのと自己満足に。
外出から戻ったら、沈丁花の香りも満ちていて、
ちょっとした設えで、こんなに幸せな気分になれるのも
ずいぶん得な性格だと我ながら感心しています。

先日横浜の三渓園に行ったおりに、古民家に古い雛人形が飾られていました。
大切に長い時を刻んだ段飾りもまた素敵ですね。



上のはなぜお雛様が右なのかなぁ?


日本の行事、ささやかでも楽しんでみてください。
季節が、自然が、近くにやってきますよ!

大人とて乙女ゴコロやひな祭り  笑




2016年2月3日水曜日

立春ですね

この冬は暖冬というスタートでしたが、寒の入りからは寒い寒い冬になりました。
2月に入り節分を迎え、明日は立春、暦には春がやってきます。
とは言え、実際はもうひと月は寒さを我慢する時期でもありますね。

先だっての日曜に、俳句教室で北鎌倉に吟行に行ってきました。
冬の終わりの頃の季語に「春隣」というのがあります。
「春まぢか」「日脚 伸ぶ」なども同じように春の予感を感じる季語です。
希望のような言葉で素敵だな〜と思い、
明月院の本堂で見た、火鉢に乗せられた鉄瓶で一句詠みました。
そして家では、見た景色、感じた気持ちを生けてみようと、
愛用の鉄瓶にほころんできた白文字の枝を生けました。


山採りの白文字、萌黄色の花が咲いてきました

愛用の鉄瓶


普段はお湯を沸かして、お茶を飲むために愛用しています。
熱効率が良く、すぐに沸いてくれるし、鉄分もとれるとか。
なによりもお湯がまろ味をおび、どんなお茶も美味しくしてくれます。
そして気分も上がる鉄瓶は、私のおすすめ道具アイテムでも。
私はこんな風に「暮らしの道具」によく花を生けています。
みなさんも良かったらやってみてください。
植物のある暮らしが手軽に、身近になりますよ!


明月院の鉄瓶

鉄瓶にかざす手の先春まぢか   綾