2021年1月18日月曜日

根のある暮らし

私が今住んでいる家(アトリエ兼)に引っ越したのは、年の瀬の28日でしたので、
毎年、年末から新年には「あ〜もう〇〇年!?」と、ちょっと感慨深くなります。
だんだんはっきりした年数が分からなくなるのですが、多分24年目突入かな?笑
小さな土地を購入し、友人の設計士さんに設計してもらって建てた小さな家です。
24年も経つと、ちょっとした不具合は度々出てきますが、
制約のある中でも精一杯「好き」を大事に建てた家は、不具合もなんのその!
「もっと自然のある場所へ・・・」なんて憧れはまだ少しありますが、
それとは別に、愛着は増しているように思います。
「やっぱり、ここで良いな、根を下ろして行けるとこまで行こう」とも。


光がこぼれる場所があちこちにあって、
きれいだな、としみじみ幸福感を味わいます


家が24年ですから、生活スタイルはもちろん変化があります。
最近は「終活」と自分で言いながら、断捨離ではなくて絞り込んで、
残りを楽しく暮らせるように、必要なタイミングで、より「好きなもの」に
買い替えたりしながら、不要な物を整理したり、不要なものは買わないぞ!と
言い聞かせ(笑)、今とこれからの自分に合うようにして行ってます。
今年はいよいよ還暦を迎えますので、またステージが変わる転換期なんでしょうね。
自分にとって大切な事や物もまた確認できて、なかなか楽しいです。


花の仕事は家より長く、おかげさまで28年目を迎えることができました。
撮影、ブライダル、ディスプレィ、イベント、出版などなど
色々な仕事を楽しくやらせて頂きました。
そして、ずーっと同じ形で花教室を続けて来れました。
昨年からはコロナの事もあり、外の仕事が減りましたが、
花教室は皆さんに支えて頂き、オンラインなどもあわせて、休まずに続けられました。



1月の生徒さんの花生け
どれも個性が溢れて素敵です!


緊急事態宣言で新年の教室は、どうなることかと思いましたが、
お越しいただく方とオンラインで、また無事に楽しく開く事ができました。
皆さんが静かに花と向き合い、花を慈しんで丁寧に生けていらっしゃる姿を
見ているだけで、なんだかとっても幸せな気分になり、
「花は良いな〜〜〜」と心から思う事ができて、コロナも捨てたもんじゃない!
と、新年から前向きな気持ちになれたりしました。ありがとうございます!!



オンライン「花の会」では私が生けるので、
こちらも良い機会を頂いてます


今回でブログが最終回になりました。
最後は生けた花をご覧いただいて終えることにします。
40's style magazine、ギリギリ40'sの時にお声かけを頂き、そろそろ10年!
もうとっくに卒業の年齢になっちゃいました。笑
タイトルの「根のある暮らし」は、植物を仕事にする私にとって根源的な、
意味のある物を付けて頂き、花のこと、暮らし周りのこと、旅のこと、
大したことはない事を文章にする事で、いつも自分を見つめる機会になりました。

世の中が大変な時世になりましたが、
しっかりと根を張って、小さくても光を見つけて行けますように。
皆さん、お元気で!
ありがとうございました。




2021年1月3日日曜日

今年も花と

あけましておめでとうございます。
昨年は誰にとっても思いもよらない、大変な年になりました。 
なかなか先が見えないような年の初めではありますが、
新しい年になり、良い年になるようにと願い、明るい気持ちを持って迎えてます。
きっと皆さんもそんな気持ちをお持ちではないでしょうか?
色々あるとは思いますが、健やかな良い年にしたいですね!!

年末はお正月飾りの仕事を終えて、少しご依頼頂いた花をご用意して、
片付け、掃除を済ませて、最後にお正月の室礼をしました。
毎年同じように鏡餅を用意して、花を生けて、迎春飾りを掛け、歳神さまを迎えます。


鏡餅はお米屋さんに頼んでいます。

鶴の凧は出雲旅で見つけた祝凧

花は大好きな椿をシンプルに生けました

玄関には縄綯いから作ったお飾りを


そして元日の朝には嬉しいプレゼント?!!
エレカシのミヤジがYouTubeに日の出の時間にアップしてくれた「夜明けのうた」!!
毎年、元日は朝寝坊で、初日の出なんて見ない(見れない・汗)のですが、
この動画で、初日の出を見たような清々しい気持ちになりました。
改めて、都会の美しさのようなもの、町も好きな自分を感じたりも。





初詣は家族で氏神さまへ。
なかなかみんなでというのは難しくなっている中、揃って行けて嬉しい。




そして2021年の花のこよみもスタート。
やっぱり椿から!!





毎日の生活の中、泣いたり笑ったり、しょげたり、喜んだり、、、ですが、
小さくても、ささやかでも、光を見つけられるように。
今年も花と一緒に、笑う門には福来る!!で参りましょう。



2020年12月18日金曜日

師走、師走!

 12月の前半に花教室を追えてからは、お正月飾りの仕事にスイッチで、
数年来のお手伝いスタッフと、毎日、毎日、制作しています。
今年はどうなるかな?と思っていた年末の最後の仕事も、
お陰さまでたくさんのご注文を頂きまして、頑張っております。
全国11店舗さまで販売いただくのですが、それぞれの納品日を目標にして
逆算的な形で制作をして行きます。
なので、ぽつり、ぽつりと、中日と言うか、空く日が出来たりします。
アウトプットが続きますので、そんな空いた日はインプットをする日に。
ひとつは前から決まっていた、浜田真理子さんのコンサートに出かけて来ました。
場所は大好きな上野、東京文化会館です。ロケーションも建物もとにかく大好き!
そして、浜田さんの歌声とピアノは美しくて、最初から涙腺緩みまくりです。
泣くのもね、良い事ですね。浄化されると言うか、そんな感じがします。
浜田さんの歌は、結構、暗め?ドロドロ系?かな?と思う曲が多いのですが、
にこやかに、軽やかに、歌い上げずに歌われるので、重くなくて、
なぜか、全部美しくなって行く感じがするのが不思議です。
そして、だからか?妙に琴線に触れるので、泣けてしまうのです。


文化会館のロビー


そして、今行かないと大変なことに!で、髪を切りに行って来ました。
そこでの美容師さんの音楽セレクトがいつもツボなんですが、今回も!
すごくオシャレなどこかのオートクチュールメゾンのイメージビデオなのかな?と
思うものが流れていて、その中の女の子がめちゃめちゃ可愛い!!
伺ったら、ノルウェーのAUROLAと言う女の子のMVと言うことでした。


もう可愛すぎて、オシャレすぎて、そして自然で、素敵!


もうひとつは、森須磨子さんのしめかざり展も観てきました。
3年前くらいに武蔵美での展示にも行ったのですが、やっぱり観なきゃ!と。




お正月飾りを作り出して、多分10年目なのでは?と思うのですが、
年月を重ねる中で、自分も歳を重ねてますので、基本は変わらないけれど、
変化している部分もあって、ここ2、3年は思うところも色々あります。
展示を拝見して、色々な土地の風土から生まれた正月飾り、
人の智恵が息づくしめ飾りに教えられることが沢山ありました。
そして、それぞれの正月飾りなんだと言うことも私なりに理解したところもあります。


年を重ねるとともに、より簡素に、素朴に、質素に、
そして凛としたものを作りたいと思うようになりました


10年を経て、日本の一番の年中行事でもあるお正月に、
歳神さまを迎えてもらうために、たくさんの方に飾っていただくようになりました。
制作の合間に、駆け足でしたが、展示を観れたことは良かったです。
日本の受け継がれてきた大切な心、先人の叡智がこもった手仕事に
敬意を持って作ること。
そんな気持ちを忘れずに、これからも何年も、おばあちゃんになっても
作って行きたいと思います。
師走はやっぱり忙しい。あっという間に年の瀬になっちゃいますが、
走りながらも、毎日、ちゃんと大切に、あと少し頑張ります!!

販売いただいているお店などはInstagramにアップしておりますので、
良かったらご覧になってくださいね。
では、今年はこれで最後になります。
皆さま良い年末年始をお過ごしください。

2020年12月7日月曜日

人に、植物に感謝の12月

 あれよあれよと気がつけば12月、師走に!
今年は本当に気がつけば・・・感が満載の気がいたします。
何をしていたのだろうか?と記憶を遡ると・・・
あ、花の仕事はなんとかしていたな、良かったなと。
12月の1週目は今年最後の花教室で、思いの外たくさんの方が、
こんなご時世ですが、クリスマスのレッスンに足を運んでくださいました。
外に出ていく仕事は滅法減りましたが、
教室はオンラインも含めて今年も無事出来た事、感謝しかないです。
植物と人とに支えてもらった1年でしたが、
考えると、いつもそうなんだよな、としみじみ思う12月になりました。
教室の最後は、私がスポンジを使って花を生けるのを見ていただくという、
滅多にない?!クリスマスアレンジのオンライン「花の会」で締め括りになりました。


今年はよりシンプルに針葉樹のグラデーションで
アレンジメントを作りました


皆さん、思ったよりもスポンジアレンジを見るのが楽しかったとのこと。
なんでもプラスに出来るものですね。
心の持ちようや、柔軟にチャレンジすることの大切さも再確認しました。
そして、クリスマスのレッスンが終わると、一気にお正月の仕事にチェンジです!
今年も可愛い餅花を作りました。







迎春飾りはまずは定番から、私の部屋自由が丘店さまにて販売スタートしました。
今週末には新しいタイプのものも合わせて、蔵前のsyuroさん、谷中松野屋さん
大阪の阪急百貨店うめだ本店7階の荒物雑貨店に並びます。
クリスマス前には私の部屋さんの全国8店舗に。
年末、どうなるのだろう?と思った4月の頃を思い出し、
こうやって今年もお取り扱い頂ける事を嬉しく思っています。
2021年が健やかな年になる事を祈って、最後までひとつひとつ、
スタッフと一緒に丁寧に作らせて頂きます!!

こんな風に気づきも含めて、良いこともいっぱいあった1年だったのかも?
そんな事を思いながら、年末まで元気に頑張ります。
皆さんもどうぞ健やかで!!

2020年11月16日月曜日

小春日和

晩秋の春のように暖かくてお天気のいい日を、小春日和といいます。
この数日はまさに小春日和!気持ちいい日が続いています。
空は青く澄んでいて、天高く、町では紅葉も楽しめて嬉しいですね。 
来週は3連休もあり、冬本番の前の自然からのプレゼントのひとときでしょうか?
この間の週末は仕事もなく、のんびりだったので、
土曜日は近くの公園で友達とアウトドアランチをしました。
って言っても、ハンバーガーを買って、ベンチで食べるという気軽なものです。
ポカポカ暖かくて、色々久々にお喋りして、贅沢な時間でした。
子供が小さい頃は庭のように遊んでいた公園ですが、
大きな公園が近くにあるのはやっぱり良いな、
幸せって、こういうところにあるんだよな〜〜〜と。


空高く〜〜〜〜!


そして、日曜は花仲間と浅草の茶寮「一松」さんへ。
こちらは花友が花生けをしていて、以前から行きたかったお店です。
古い日本家屋にお庭があり、なんとも素敵空間で、美味しいお昼ご飯をいただきました。
その後は、銀座のエルメスのギャラリーでシャルロット・デュマ展を観賞。
魅惑的な世界観と、現代の人間と生き物の関係を考える展示でした。


ビーフシチューのご飯です
美味しかった!!


魅了される展示でした


と、結果のんびりなのか?ですが(笑)
合間にゆっくり花を生け替えたりもしましたよ。
新潟から来た菊は、ほとんどをレッスンと生け込みに使わせていただき、
少しになりましたが、私も可愛く生けよう!と。
仏花のイメージが強い菊ですが、自然の野菊は本当に可愛いです。
茎の動き、花の表情もそれぞれなので、出来るだけ逆らわずに生けたいですね。



百合の実もいただいたので、生けました
不思議可愛い表情です



通年手に入る、綺麗で豪華な花も素敵ですが、季節の草花は季節の景色を届けてくれます。
暮らしの中でぜひ、その季節、季節の草花を楽しんで欲しいな〜〜〜。
小春日和の光の中でゆったりと、そんなことを思いました。

2020年11月3日火曜日

そろそろ冬支度へ

 11月になり秋も深まって、ああ冬が来るのか・・・・と。
カレンダーも残すところ2枚になったけど、今年は本当にいつの間にやら?で、
なかなか季節に気持ちがついて行かないです。
それでも時間がある時に、着るものや靴なんかを再度整理して冬支度をしてます。
コロナで断捨離や整理をした方が多いように聞いていますが、
私はと言うと、コロナではなくて、自分の年齢のことを考えて、
入れ替えや片付けの時に、少しずつ整理をするような感じです。
若い頃からどちらかと言えば、もの選びには拘ってきた方だと思います。
なので、我が家には長く使っているものがたくさん。
テーブルや椅子、家具、鍋などの調理器具なんかはどれも30年選手です。
服や靴なんかもそんなものがいくつかあります。
そう、勝手にヴィンテージ、笑。
でも選ぶ時は「ずっと使えるもの」と思っていても、壊れたりするものはあるので、
やむなく買い換えることが必要になるものは、それなりにありますね。
その時もまた「ずっと使えるもの」を基本にするのですが、
いよいよこの歳になって「最後の一生もの!」とか思っております。
先日は、ご飯を炊く鍋を新調しました。
土鍋を割ってしまってからは、しまっていた炊飯器を出して使っていたのですが、
30年選手のル・クルーゼの片手鍋が瀕死の状況なのもあって、
ご飯も炊けて、煮物なんかにも使えて、そして割れないのにしよう!と
ストウブのごはん向けに作られている鍋を選びました。

ごはんに煮物に、深くて便利です


整理はしても、まだ必要なものはどうしても出てくるし、
欲しいものもまだあったり、出来たりします(欲というのは無くならないですね、汗)。
でも、物は増やしたくないし、不要な物はなおさらのこと。
何を持って不要なのかも難しいですが、、、
出来るだけ「ずっと大切に出来るはず!」「最後の一生もの」
かどうかをより考えるようにはしていきたいです。





先日、パルコでの「和田誠さんと。」という展示を観に行きました。
和田さんワールドは本当に暖かで愛があって大好きです。
その中にあった映画「マンハッタン」の絵を観て、
若かった頃に憧れたダイアンキートンのこのファッション!
今も変わらず大好きで、ロングラン選手の着るものは、
やっぱりこの頃の好き!が基本なものだったりしているな〜と思いました。
こんな風に最後の一生ものの道は続きます〜〜〜、笑。

タイトルから話は脱線してしまったような?ですが、
冬の支度をしていて、、、という事でお許しください。
仕事の方もリースを作り、納品して、クリスマスへの準備です。
大阪の阪急うめだ本店さまで11月10日すぎからお取り扱いいただきます! 


プリザーブドの針葉樹メインで作りました
7階の荒物雑貨店にて販売いただきます!


今年も、皆さんの冬支度のお手伝いが出来ること、とても嬉しいです。
晩秋から初冬への11月、どうぞご自愛くださいね。


2020年10月17日土曜日

気持ちと一緒に季節を届ける花贈り

10月の前半に、お誕生日のお祝いのギフトをいくつか承りました。
贈りもののアレンジは、送り主さまにご用途、イメージなどをお伺いします。
あ、ご予算もですね。
箱に入れて、宅配便などで送らせていただくことがほとんどですので、
送料に予算が取られ過ぎないように箱の大きさを選び、
その箱に収まるように生けますので、大きさの制約が出来てしまいますが、
その中でも出来るだけ自然に生けることを心がけています。
市場に行ってから花を選ぶのですが、リクエストの花が指定されていなければ、
頭の中で頂いたご注文をぐるぐると思いながら、歩き出します。
必要なのは、メインの花とそれを引き立てる花。
イメージはメインの花で決まるわけではなくて、
脇役のものから「これ!」と言うものが見つかって、スタートする時もあります。
と言うか、そのほうが多いかもしれません。






また、大切にしているのは季節感でしょうか。その季節の花や枝や実など、色合いなど。
秋は紅葉ものも素敵ですし、実りの季節なので実物も良いですね。
ご用途によって、になりますので、一概には言えないのですが、
まったりとニュアンスの秋色も良いですが、私は艶やかなこっくりと深い色が好きです。
今回はたまたまと言うか・・・ダリアをメインに深まる秋の景色を生けました。
贈り主さまのお気持ちと一緒に季節をお届けできると嬉しいです。
そんなことを大切に、花をお届けさせていただいてます。

そして、10月の最初は花あわせレッスンでした。
オンライン「花の会」も4月以降併用しています。
オンラインでは私が生けるのを見ていただくので、色々と工夫しています。
平日と週末と、ほぼ同じ花材で生けましたが、
器を変えて、それぞれの器に合う方法としての生け方と、
それぞれの器に似合うイメージや佇まいなどを見ていただきました。
そんなのも面白いかな?とご紹介しますね。





ガラスの器には黄色のジニアをメインに、爽やかに浅い秋を伸び伸びと。
くるみのカゴには紫の野菊をメインに柔らかく深い秋をふんわりと。
 可憐な感じと大人の感じと、元気なのと淑やかなのと、、、、
なんて、ちょと感じ取れますでしょうか?!!
花を選んで、器を選んで、景色を思い浮かべて、イメージしながら生けるのって
とっても楽しいですよ!
ぜひ皆さんもそんな風に花を楽しんでみてください。
と、今回はしっかり(?)花のお話でした。